防災活動・災害に負けない園づくり
防災活動 災害に負けない園づくり
災害時には、変化に対応できる力が求められます。園では野外活動を通して育んだ力を災害時にも活かすため、独自の防災に対する取り組みを行っています。その目的は、災害から園児と職員の全員の生命と安全を守り、災害に負けない園の機能を作りだすことです。そのために防災訓練や職員研修、備蓄品や園舎設備の整備を常日頃から行っています。
訓練
火事 火災で怖いのは煙です。その煙がたまらない屋外へ逃げることが重要です。そのためすばやい動きを行うように訓練をしています。非常ベルが鳴ると同時に保育士のところに集合し、裸足で園庭に避難をします。園庭に一番遠い部屋の3歳児クラスも2分30秒の速さで避難を行います。そして園庭に備えてある避難用の長靴をはき、150m離れている園の駐車場へ避難をします。
地震 いつ来るかわからない地震。そのため自分の身を守ること、揺れだしたらその場を動けないことを想定しダンゴムシのポーズをしています。ダンゴムシのポーズは、頭部の保護が重要であるため両手で後頭部を押さえ、両肘、両膝を地面につけうずくまるポーズです。揺れている間はこのポーズで待機をし、揺れが収まってから、保育士の居るところに集合します。そこで子ども用ヘルメットかぶり、室内に置いてある避難用の長靴をはき園庭に避難します。
津波 当園では3歳クラスから海活動を行っています。海で想定される大きな災害は津波です。その津波が起きたらすぐに逃げることになっています。園バスを降りるところから海に向かう途中の高台にある神社(避難場所)の前を通るようにコースを設定し、園児に「津波が来たらここに逃げるんだよ」と教えながら海に行きます。
引取引渡 年に1回保護者の方にご協力いただき緊急時引取引渡訓練を行っています。その際に停電を想定し災害時保育に切り替えて、保護者の方のお迎えを待つ訓練を行っています。災害時保育では、急な揺れなどに備え避難行動の妨げにならないようにおもちゃなどを出さずにわらべうたや手遊びなどで過ごしています。
職員内部研修
専門家にお話しを聞き、防災活動を発展させています。
講師 松尾知純氏(防災ゲートパートナーズ代表 防災危機管理教育コンサルタント)平成19,20,21,22年 来園
・園の防災マニュアル作成
・シュミレーションシートを使った被災時から早期復旧までのイメージトレーニング
災害から命を守るために保育園が行うべきこと何かが起きる前に「芽」を摘み取れるか?など多く研修を行っていただきました。当園の具体的防災活動は松尾氏のお話から始まりました。
講師 国崎信江氏(危機管理教育研究所代表 危機管理アドバイザー) 平成24年9月来園
保育園の防災~地震から子どもを守るには~
・関東大震災における神奈川県の被害
東京都より神奈川県の方が被害が甚大であり、死者の多くは神奈川県内で発生した。
・保育施設で地震が発生した時の室内被害 棚や家具など什器の固定がいかに重要かを認識。
・訓練の見直し 避難用長靴を左右でなくとも2つあるものを履いて避難することを行う
・ヘルメットの提唱 国崎氏より教えていただき園児用ヘルメットを購入
また、備品では蓄光テープの活用や止血パットを常備することや、津波について川の遡上だけではなく、下水管からマンホールを飛ばす勢いで逆流をしてくる危険があるなど、適切なご指導をいただきました。保護者でもある国崎氏の視点は乳幼児を預かる当園として大いに参考になりました。今後も両氏に指導いただきまた相談させていただきながら、現状に沿った防災活動を行っていきます。
備蓄
突然の災害にも対応できる行政が本格的に救助活動を始めるには3日程度かかると言われています。そのため当園では3日間過ごすための準備をしています。
食糧 3日分 園児100名及び職員分の食材を備蓄しています。その中にはアレルギーに対応した食品も準備しています。水については水ろ過器を備えており、その他にも保存水や水タンクを備えています。
生活排水用には川の水をポリタンクに入れ使用することになります。
物品 ライフラインが使えなくなることを想定し、発電機・LEDスタンド・電気不用ヒーター・ランタン・カセットコンロ・懐中電灯・アナログ電話・大型テントなどを備えています。また地震などにより落下物が発生したときに防災頭巾では頭部の保護が完全でないため、園児にもヘルメットを用意してあります。
室内整備
棚は固定してあり、ガラスについては強化ガラスに飛散防止フィルムを張ってあります。照明も割れづらいLEDを使用し、さらに「飛散防止用ルミキャップ」をすべてに取り付けています。各クラスには、室内と園庭に避難靴を用意してあり、火災や地震の状況に分けて使用できるようになっています。各クラスの避難路も2コース以上設定しています。
自然・地形
一番近い海から2km離れており、海抜24mの所に園舎があります。周囲は山に囲まれており、園舎周辺からすぐに山に登れるコースが点在しており、津波など発生した時は、そのコースを使い高台に避難をするようにしています。園舎の下には大きな岩盤あり、内閣府のHPに記載されている「表層地盤の揺れやすさ全国マップ 神奈川県」には、揺れにくい位置に建っています。