抱っこ法
抱っこ法 こころとからだを抱っこする育児法
抱っこ法は、育児法の中でも「子どもの気持ちを大事にしましょうね」という精神論ではなく「こうすれば子どもの気持ちを大事にできますよ」という方法論をもつ育児法です。それは言葉だけでなく、からだのやりとりを大事にした方法です。また、こころを抱きしめるためには、ダダこね等の子どもの体の表現を受け止めるような、体の触れあいがとても大きな威力を発揮します。
抱っこ法では「甘え上手な子に育てよう」と勧めています。大人も子どもも助けが必要で「一人じゃない安心できる関係」が大事です。
園では、抱っこ法をベースとした、朝の受入や、片付け、イヤイヤの時など保育の様々な場面で保育士は子どもとのやりとりをしています。
「抱っこ法」とは
子育ては楽しくありたいものですが、日々の生活の中では、時間に追われ、つらいものになりがちです。子どもがなかなか言うことを聞いてくれなかったり、ダダこねをされるとイライラして叱ってしまうことも多く、子育てに自信がなくなることもあります。
周りに育児を相談できる相手がいなかったり、愚痴を話せる人がいなかったりすることもあります。相談できる相手がいてアドバイスをもらったり、育児書を読んでも思うようにならない事も多く、その事がストレスになって不安が大きくなったりすることもあります。
「抱っこ法」とは、お母さん(お父さん。おばあちゃんの場合もあります)の不安な気持ちを、サポートする一方、子どもの気持ちも受入れる「心の抱っこ」の方法です。
「抱っこ法」を知ると、「子どもの気持ちが分かりやすくなった」「子どもと一緒に育児を楽しめるようになった」という声を聞くことができます。
「抱っこ法」が大切にしている事
1.大人が主導権をもちながらのやりとり
大人(親や保育士など)が主導権をもち、物事の善悪を子どもに伝えることが本来の子育ての在り方ですが、最近は子どもの気持ちを尊重するあまり、子どもの言いなりになる傾向があります。「甘すぎず」「厳しすぎず」の程よいやりとりを子どもと楽しみながら、進めていくと子育てももっと楽しいものになることでしょう。
2.甘え上手と甘えさせ上手
甘え上手とは、「思い切り泣き、悲しい気持ちを受け止めてもらって、スッキリ泣き止む」ことです。甘え上手だと、大人も子どもの気持ちがわかりやすいし、子育ても楽になります。子どもと大人が甘え上手、甘えさせ上手なやりとりができることが大事です。
3.体を仲立ちとした心の交流
子どもとのやりとりを言葉だけではなく、体にふれたり、手を添えたりして正しい方向に導いていくことを大切にしています。言葉の理解や表現が未熟な乳幼児には、大人が一緒に手を添えることで、安心感と具体的な行動の仕方がわかりスムーズに伝えることができます。
保育園での抱っこ法の活用
1.毎朝の受入れの時
「お母さんやお父さんと、離れたくない」と泣いてしまう子ども達、そんな時には子どものさみしい気持ちを受入れ、「お母さんも頑張ってお仕事に行ってくるから、バイバイしようね」と保育者がしっかり受入れ、安心してお仕事に行ってもらえるようにしています。
2.おもちゃの片づけ
片づけの時間になっても、まだまだ遊んでいたい子ども達。そんな時には「遊んでいたいよね」という気持ちに寄り添いながらも、「今は片づけの時間だから、一緒にやろうね」と保育者が主導権を持ち片づけを「一緒に」しています。
3.年齢に応じて、子どもの状態に応じて様々な場面で「抱っこ法」を日々の保育に活用しています。
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